パラサイト・シニアのお気楽日記

60代半ばにさしかかり、経済的自立できずに、パラサイトしている、おバカなシニア女史の、日々のつぶやきです

スズメの思い出

何年も前のことです。


アパートで独り暮らしをしていた頃、


ある朝、仕事へ出かけようと、通りに出た私の足元に、


突然、スズメが舞い降りました。


あらっ?、なんだろう?、スズメがこんなに近しくしてくれるなんて・・・


心当たりは???


と、よくよく考えてみると、


まさか、ベランダに来てるスズメ!?


ペットは飼えない、アパートの独り暮らしでした。



ともすれば、ご近所迷惑なスズメおばさん、と呼ばれかねない、


身勝手で、いけないことなのかもしれません・・・(汗)


寂しかったから、と、言い訳します。


外出の予定もなく、訪れる人もない、休日の朝は、


ベランダの手すりに米粒のせて、スズメが来てくれるのを、心待ちにしていました。


初めは電線にとまって、遠巻きに観察していたスズメたちですが、


1羽、2羽と、米粒をついばみに来てくれるようになりました。


そのうちに、私がベランダの手すりに米粒を置くのを待って、飛んでくるように


なりました。



でも、まさか、ベランダと、アパートのエントランスじゃ、東と西で反対側です・・・


同じスズメが、出勤時間を見計らって、玄関で待ち伏せするなんて、信じられません。


目の前で舞い降りたスズメは、まだ幼さの残るような可愛いスズメでした。


う~ん、可愛い!


次の再会を期待して、翌朝からは、ポケットに米粒をしのばせて、出勤です。


最初は、恐る恐る、蒔いた米粒をつついていたスズメでしたが、


回を重ねるごとに、馴れてきて、手が届きそうな位置にまで、近づいてきます。


最初の1羽から、仲間が増えて2羽、3羽になることもありました。


嬉しかったですねー! 毎朝の出勤が愉しみになりました。


なんといっても驚きだったのは、米粒をついばんでいたスズメが、


私がその場を離れると、私の傍らを飛びながら、


大通りに出るまで、後をついてきて、見送ってくれたことです。


自意識過剰! 思い過ごし! 妄想!


と、笑われても仕方ありません・・・(苦笑)


でも、あの時の私は、「スズメが私を、憶えてくれた!」そんな気がして、


しあわせな、しあわせな、気分で満たされていました。


スズメと私の、愉しい一時でした。


今でも、たいせつな思い出です。